子どものこころ専門医機構からのお知らせ

各学会員の皆様へ

「子どものこころ専門医」の設立にご協力いただきありがとうございます。小児・思春期医療において、子どもの心の問題は近年、非常に増加しており、診療を担う専門医の養成は緊急の課題となっています。にもかかわらず、我が国には共通のカリキュラムによる質の保証された研修制度がなく、専門性を持った医師の絶対数も不足している状態が続いていました。この問題を解決するために、日本専門医機構が専門医制度を見直し、整備を行うのを機に、日本専門医機構が規定するサブスペシャリティ領域専門医をめざして、日本小児心身医学会、日本小児精神神経学会、日本児童青年精神医学会、日本思春期青年期精神医学会の4学会が共同して「子どものこころ専門医」を設立しました。具体的には、基本領域専門医を構築する日本小児科学会、日本精神神経学会と連携し、日本専門医機構の指導を受けながら、専門研修プログラムの整備、研修施設の選定を進め、同時に4学会の認定医・推薦医を対象とした暫定専門医試験を平成27年度から実施してきました。暫定制度で認定された専門医の方には、本制度開始時における指導医としての役割を担っていただくことを期待しています。今後は、各地域における研修プログラムの整備を進め、専門医機構からの正式な認定を受ける予定です。

「子どものこころ専門医」は、日本専門医機構による新専門医制度がスタートし、サブスペシャリティ領域の研修開始が予定されている2020年開始を目標に整備を進めてきましたが、専門医機構の組織改革や新専門医制度開始時期の遅れに伴い、正式な認定および本制度における研修開始時期については若干遅れる見込みです。しかし、本専門医は社会的要請度が高く、医療現場のみならず、患者家族や教育現場からも整備が待ち望まれているものであり、かつ、小児科と精神科を横断して幅広い研修を行うシステムなど、制度設計上も今後の専門医制度のモデルになるものだと確信しています。各学会員の方には、「子どものこころ専門医」制度の推進に向けて、今後ともご協力のほど、よろしくお願いいたします。

子どものこころ専門医機構